複業人材の活用で経営課題の解決が見えてきた

大進建設株式会社
長野県佐久市中込3089-2
 黒澤 敦史さん(取締役営業部長) 浅沼 恵美子さん(総務部長)   
浅沼 恵美子さん(総務部長)
黒澤 敦史さん(取締役営業部長)
課題:「採用人事の課題解決をしたい」
想い:「佐久での人事に特化した複業に興味あり」

多田 さん
大阪在住。商社へ新卒入社後、5年営業職を経験したのち、人事部へ異動。 3年半採用・研修を中心に人事業務を行う。 2015 年に製薬会社に中途入社し、現在は新卒・中途・派遣の採用、研修・育成、人事制度設計、健康経営など幅広い人事業務に従事している。

YOBOZE!コーディネーターとの対話で見つけた企業課題

――大進建設さんが今回、複業人材の「人事職」を募集したきっかけを教えてください。

黒澤:YOBOZE!コーディネーターの方に、「佐久地域内外の複業人材と地元企業を繋ぐ取り組みを始めるので活用してみませんか?」と声を掛けていただいたことが最初のきっかけです。その時はまだ、自社の課題も含めて、複業人材の方に何をどうお願いすればいいのか全くイメージが湧いていませんでした。それでも、社外の方たちと一緒に、自社の課題解決に向けて考えて動くということは、大進建設の未来にとってもプラスであり、社内の人間では分からない新たな発見がありそうだなと思い、複業人材を募集することにしました。


――複業人材の募集はどのように行ったのでしょうか?

黒澤:最初に、YOBOZE!コーディネーターの方たちに、「大進建設はこれからこんなことをやっていきたい」と話をしました。その中で、「大進建設にはこんな課題があり、最優先すべき課題は“人材採用”ではないか」と、経営課題の優先順位を整理していただきました。受注は比較的順調だが人材が足りないという状況の中で、ホームページ改修などの小手先のブランディング施策ではなく、これから大学や高校を卒業する若い人材を「計画的・戦略的」に採用していくことで、10年後、20年後の大進建設がもっと変わっていけるのではないかと提案をいただきました。

浅沼:これまで弊社の人事は、私が総務や経理の仕事と並行して行っていただけで、地元の高校生にパンフレットを配ったりといったくらいで、そこまで積極的に新卒採用に向けて動くことはできていませんでした。そのため今回、複業人材の方のスキルをお借りできれば、新卒採用にも、もっと力を入れて動くことができるかなと思いました。

黒澤:複業人材の募集については、YOBOZE!コーディネーターの方たちが、Skill Shift(地域貢献副業プロジェクトメディア)を通じて人事スキルのある方の募集をかけていただき、24人の応募者の中から絞っていただいた5名と私たち企業側で面接を行いました。皆さん、キャリアもあり、スキルも高くて、どの方にお願いしても力になってくれそうだなと思ったのですが、最後は感覚的にこの方と一緒に仕事がしたいと思った多田さんを採用させていただきました。

「採用・人材育成」の専門的なスキルを生かして、佐久の企業に貢献したかった


――多田さんは、どのような思いで大進建設さんの募集に応募したのでしょうか?

多田:私は本業でも人事職を長年やっているのですが、本業での人事は、採用以外にも総務的な仕事も行うなど幅が広いんです。でも、私は採用や人材育成に興味があって、その分野でのスキルをもっと極めていきたいという思いがありました。複業というのは、自分のやりたいことを専門的に突き詰めて働くことができるので、今回、人事職を募集されていた大進建設さんに応募しました。


――実は多田さんは、現在は大阪在住で、ご出身も長野県ではないとのこと。どうして、佐久市の大進建設に興味を持たれたのでしょうか?

多田:妻が軽井沢町出身で、それで佐久にも何度か来たことはあったんです。そんな縁もあって、佐久で何か力になれたらいいなという思いで、大進建設さんの募集を見つけ興味が湧きました。


――5か月契約という短い期間ではありますが、大進建設さんの人事に携わることになって、大阪と佐久とのリモートでのやり取りや、仕事を進める上で不安なことはなかったですか?

多田:全くなかったです。というのも、もし最初から私と大進建設さんが直接やり取りをして契約をしていたら、始めのうちは壁もあって、それを崩すのに時間もかかったと思うんです。でも、YOBOZE!コーディネーターの方たちと、大進建設の皆さんと一緒に食事の機会も設けていただいたりして、そういったフォローもあって、すごくスムーズに入っていけました。また2か月に1回、大阪から新幹線や飛行機で移動して、ワークテラス佐久に打ち合わせに来させてもらったり、普段もChatworkで黒澤さんや浅沼さんとコミュニケーションを取っているので、仕事もスムーズにできています。

新卒採用のためのアドバイスや面談実施まで複業人材がフォロー

――大進建設さんとしては多田さんが採用人事に加わって、どのような変化がありましたか?

黒澤:新卒採用を行う上でのノウハウを色々学ぶことができています。例えば、これまではただ募集をかけて良い人材を「待つ」だけでしたが、今の時代、企業側が積極的に学生さんにアプローチをしていかないといけないとか、そうして興味を持ってくれた学生との面談で話す内容だったり、私たちも多田さんを見てこうやって動いていけば良い人材と出会えるんだなと学ぶことが多いです。


浅沼:学生さんとの面談は、多田さんがメインとなって、大進建設の企業説明をしてくださっています。私たちも一緒にオンライン上で同席させていただいているのですが、実はこれまでzoomを使ったこともありませんでした。今までは対面で直接話すだけの面談だったので、日本中の学生さんと繋がれることが新鮮でした。また、多田さんは学生さんの緊張も和らげながら本音も引き出してくれて、雰囲気づくりが本当に上手で私たちも勉強になります。一緒に面談をしてくださって、とても心強いです。

多田:企業説明一つとっても、建設業界はまだアナログなイメージが学生さんにはあるかもしれませんが、zoomやパワーポイントを用いながら説明することで少しは印象が変わるかなと考えています。今はIT化が進んでSE希望の学生さんも増えるなかで、「実は建設会社にはこんな一面もあるんだ!」というところをどう見せればいいかなど、色んな工夫を常に考えています。


――多田さんとしては、これまでの人事のご経験から見えてきた大進建設さんの課題はどんなことだと感じていますか?

多田:一番は、佐久市は近くに大学がないことによって、新卒採用が難しい現状があります。私が住んでいる大阪など都市部だと、近くの大学生たちが「この会社聞いたことあるな」とか、「話しだけでも聞いてみようかな」とか気軽に企業訪問もできたりするんですけど、地方になると、きっかけ作りが難しかったりするんです。また、地方の企業はBtoBが多く、学生さんにとってはあまり馴染みがなくて企業の認知度も低かったりするんですよね。例えば、関東の大学生とzoomで面談をしたけど、そのあと一度は現場を見てほしいなと思っても、佐久まで来てもらうことが難しかったりするんですよね。だからこそ、人事は積極的に動かないと良い人材と出会えなかったりするのですが、地方や100名未満の企業によくあるケースですが、一人で総務・経理・人事など何役もやっていると中々、人材獲得まで進まなかったりするんです。そういったところで、私が新卒採用に向けてお手伝いしていければと思っています。

複業人材との出会いによって企業側の成長も促される

――大進建設さんは、YOBOZE!を通じて多田さんと出会われて、複業人材と一緒に仕事をしていく中で改めてどんなことを感じましたか?

黒澤:大きな一歩を踏み出せたと思っています。今まで何もしてこなかったのが、こういうことをしていけばいいのとかいう気付きをたくさん多田さんからいただきました。もし、人材採用だけが目的なのであれば、それを専門にした企業にお願いして募集をかけてもらうこともできたかもしれません。でも、複業人材の方やYOBOZE!コーディネーターの方と一緒に取り組むというのは、採用の課題を解決するだけではない、多くの気付きと学びと、そして常にワクワク感がありました。5年後、10年後の大進建設を見たときに、この最初の大きな一歩があったからこそ今があるときっと思えるんじゃないかと思っています。それくらい複業人材の方というのは、大きな可能性を秘めていると感じました。


――多田さんは、複業として大進建設の人事に携わって、ご自身の成長も感じましたか?

多田:私が大進建設さんと一緒にお仕事をしていて、一番うれしかったのは、年明けに社長さんが社員の皆さんに「企業理念」と「行動規範」を説明されたというお話しを浅沼さんから聞いた時でした。ちょうど、私が4か月前に大進建設さんに関わり始めた時が、まさに理念を作られていた時期でしたが、それを社員の方たちに浸透され始めたという大進建設さんの変化が私自身すごく嬉しくて。やっぱり、採用と経営は繋がっているんだなと改めて気付かされて、私の価値観が変わりました。私自身、本業の仕事をこれまで作業的に行ってしまうこともありましたが、企業理念や行動規範を掲げて、うちはこういう会社なんだよと伝えていくことが、結果的に良い人材の採用にも結びついていくんだと発見できました。改めて大進建設さんの人事に携われてよかったなと感じています。また、YOBOZE!さんが繋いでくださった御縁は本当にありがたいなと感じました。

黒澤:企業理念と行動規範は、前から作らないといけないという危機感はあったのですが、多田さんに人事に携わっていただいたタイミングもちょうど合って、それを形にすることができました。学生さんに対しても、「会社が大切にしている価値観はこれです」と示して、それに共感してくれる方が入ってくれれば嬉しいし、長続きもすると思います。多田さんとの出会いや色んなタイミングが重なり合って、今会社としてもいい方向に進んでいっていると感じています。

多田:YOBOZE!を通じた出会いのおかげで、企業側と複業人材側の双方に良い化学反応が起きていると実感しました。

■佐久地域の企業へのメッセージ

黒澤さん(企業側からのメッセージ):複業人材と一緒に仕事をするということは、ただ業務をお願いするだけではなく、企業側にとっても色んな気付きや発見があると思います。また、YOBOZE!のコーディネーターの方の関わりがあったからこそ、私たちの課題を引き出してもらい、優秀な複業人材をご紹介いただくことができました。

多田さん(複業人材側からのメッセージ):既存の従業員だけでは至らない考え方とか、外部だからこそ気付けるものもあったりして、それをお互いに共有していくことでこれまでになかった新しいものを形にしていくことができると思います。また直接雇用だと企業側も躊躇すると思いますが、複業人材は業務委託契約で契約期間が決まっているので、お互いに安心して気軽に活用できるのが魅力だと思います。

お問い合わせ

お問い合わせありがとうございます!
営業2~3日にて担当者よりご連絡させていただきます。
正しくない入力項目がございます。もう一度ご確認ください。